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NEWLOCAL社員インタビュー Vol.5 上田亜依




「地域からハッピーシナリオを共に」をミッションに掲げるNEWLOCALでは、不動産開発を中心としたまちづくりを行い、人口減少社会における持続可能な地域モデルの実現を目指しています。2022年創業と立ち上げから間もない段階で、既に長野県野沢温泉・御代田町、秋田県男鹿市、京都府丹後の4つの地域でビジネスを創出・展開。

そんなまちづくりスタートアップのNEWLOCALにはどんな人たちが集まり、どんな想いで地域のハッピーシナリオを描いていくのでしょうか?


五人目は2024年4月に入社した、NEWLOCAL初の新卒社員である上田亜依さん。

岐阜県高山市出身の上田さんは、高校時代に学生団体に所属し、地元の魅力を発信するフリーペーパーの作成に携わったことがきっかけで、観光まちづくりや地域の活性化に興味を持つようになり、大学では地域経営学部で交流観光を主に専攻。

将来は地域の中の人と外の人が繋がる環境を自分で作りたいという想いからNEWLOCALにジョインし、現在は野沢温泉ロッヂの責任者として運営や企画を行う他、おむすび屋さんとしての事業もスタートさせるなど、野沢温泉に欠かせないメンバーの一人です。

今回はそんな上田さんが地域の場づくりに込める想いと、新卒として築くNEWLOCALでのキャリアについてお伺いしました。


<上田亜依>
岐阜県高山市出身。学生団体での経験から観光まちづくりに興味を持ち、 福知山公立大学地域経営学部で交流観光系を専攻。大学や学外での学びを通し、場を起点に人が行き交う空間づくりを実現したいという思いから、2024年4月にNEWLOCALへ新卒としてジョイン。現在は野沢温泉でロッヂの管理責任者を務めながら、野沢温泉の魅力を発信するための企画やお土産作り、お米と生産者を結ぶおむすび屋の企画運営を行なっている。
好きな事は自然浴と食べる事。ハッピーシナリオが溢れる世界にずっといたい。



人口減少に直面する地元を若者と一緒に守っていきたい


ー 大学の地域経営学で交流観光系を専攻されていたそうですが、地域やまちづくりに興味を抱くようになった原体験について教えていただけますか?

高校1年生の時に、興味本位と憧れで学生団体に入ったんです。学生が学生に地元の魅力を発信する雑誌のようなフリーペーパーを作る団体でした。自分の友達や先輩がエディターとして名前を連ねていたり、表紙のモデルになったりしているのを見て、すごくかっこよくて自分も入りたいなって。

その活動の中で知り合ったまちづくりのキーパーソン的な人から、高山って観光地としてはインバウンドも多くてすごいけど、人口減少がどれくらい進んでいて、どれくらいの危機感を持っているのか、みたいなところを具体的な数字を交えて説明してもらったんです。そのお話を聞いたら、自分が30代40代になった時に高山が今の状態でなくなってしまうんだと思って、悲しくなって。

でも、学生団体の活動を通して、高山で頑張ってる若い人たちがたくさんいるってことも知っていたので、私もその一員になって高山のために頑張りたいと思ったのが、観光まちづくりとかいわゆる地域活性化みたいなところに興味を持ったきっかけでした。




高山では、クリエイティブでまちを面白くする、みたいな活動をしてる団体さんがフリーペーパーのデザインのアシストに入ってくれたり、ただの趣味でフリーペーパーを作ってる大人の集団がいたり、ジャズが好きだからってすごい大きな規模のイベントをやったりする人たちがいて。

やれない理由じゃなくて、どうやったらやれるかを考えてる大人に出会って、かっこいいなって思ったんです。

それより前は、高山は観光地としては有名だけど、私からしたら地元だし、何もないのになんでこんなに人が来るんだろうって思ってたんですよ。でも、フリーペーパーの活動を通して、高山のリアルな話を聞いたりとか、地元なのに全然知らない側面があることに気づいて。それに加えて、若くて面白いことをしてる人たちがいることも知れたことで、地元への見方が変わったんです。

ただの観光地のイメージから、面白い人たちが自分たちのやりたいことを仕事にして生きてるまちなんだって思うようになりました。



ー 普通は外に出て初めて地元の良さに気付くパターンが多いような気がするのですが、上田さんの場合は面白い大人の方たちに出会えたことで、中にいる時から地元の魅力に気付いていたんですね。

そうですね。

高校生の時から年上の友達も沢山いたし、放課後の遊び方も、フリーペーパーの一環で取材にし行って、デザイン会社に出入りして、みたいなことをしていたんですけど、「来月こんなことやろうよ」ってイベントを企画したりして平日から楽しそうに働く大人を目の前にして、働くって楽しいんじゃんって。それまで仕事をすることにマイナスイメージしかなかったから、こんなに面白そうに働く大人がいるんだって思いました。





ー それで今度は自分がそういうかっこいいと思う人たちの側になりたい、みたいな意識があったんでしょうか?

そうそう、本当にそうです。

だから、その当時から自分が高山で何かをするっていう未来を見ていました。友達は高山なんて何もないから絶対戻らない、みたいに言っていたけど、私はそんな中で起業してやるじゃないけど、キラキラした方を向いて過ごしていました。

当時はざっくりと、高山の観光とかまちを守るためにできることで起業する、みたいなイメージでいたけど、今は自分が何をやりたいかをちゃんと見つけて、それを叶えるために起業がベストな手段だったらする、くらいの感じですが。






悶々とする日々を一変させた壱岐島での出会い


ー そんな想いを胸に入学した大学での生活はどのような感じでしたか?

実は最初の一年はツンケンしていて、早く卒業できればいい、みたいなマインドでいたんです。

すごい強い意志を持って大学に入学したんですけど、本当はもともと行きたかった大学への気持ちが強くなったことで、学歴コンプじゃないけど、それに近いような感覚になってしまっていて。それにコロナも重なったことで、実家でオンライン授業を受けてる日々にすごい悶々としちゃったんです。本当は高校生の時みたいにフィールドワークして、面白い人たちと話していろいろ形にしていくことがやりたかったのに、なんでだろうって。それを大学のせいにしてたところがどこかありました。

それでもやっぱりインスタグラムとかTwitterで自分の興味のある分野を調べていた時に、オンラインでも活動している学生や、コロナ禍だからこそのまちづくりセミナーを開催してる同級生たちを見つけたんです。

そういう人たちを見ると、環境を言い訳にしてやりたいことをやっていない自分にすごいショックを受けて、ダサいなって思ったんですよ。

それで、高校生の時に学生団体入ったように、何か環境を変えないと、と思うようになっていきました。

学生起業してる同級生にも相談してみて、「環境を言い訳にしてない?あいちゃんならできるよ」と言ってもらえたことで感化されて、やりたいことや興味のあることに全力になってみよう、と動き始めたんです。

その当時授業の中でも扱っていて、一番興味を持っていたのがゲストハウスだったんですよね。




当時はゲストハウスがどういうものかもあまり知らなかったんですけど、漁師の方が営んでいる、壱岐島にあるゲストハウスをたまたま見つけて。

私の好きな風情のある感じの建物や、漁師の釣った魚が夕飯に出てくる写真とか、宿泊者が乾杯してる様子とかを見て楽しそうだなと思って、その次の週には壱岐島に向かったのが最初のスタートでした。

ゲストハウスに着いたら、すごくアットホームな感じで歓迎してもらえて、夜には地元の方が自分の家みたいに入ってきて一緒にお酒を飲んだりするんです。

長崎だからみんなお酒が強くて、夜遅くまで宿の人と地域の人と宿泊者とでコミュニケーションを取りながら晩飯を囲う、みたいな時間がすごく楽しくて。

その日は、ゲストハウスで出会った女性に勧められてヒッチハイク旅をしたりもしたので、すごく世界が広がったし、地域の人とのコミュニケーションを通じて旅の魅力にだんだんと気づいていきました。

そこからゲストハウスを巡る旅をし始めて、いろんな地域で地域おこし協力隊の人を紹介してもらったり、その人の紹介で別の地域の人のところに会いにいったり、みたいなこともしていましたね。




それで今度は福島の西会津ですごく惹かれるゲストハウスを見つけて。そこではオーナーの女性が、学生向けに一週間自分のやりたいことを考えるみたいなインターンを開催してたりとか、カフェをオープンしてアーユルヴェーダの講座を地域の人向けに開いていたり、そんなオーナーの人柄に惹かれて移住までする人がいたりしたんです。

それで、こんな辺鄙な地だけどやり方次第で自分のやりたいことを実現させている様子とかを見て、本当にすごいなって。

自分は、高山でゲストハウスをやっても本当にうまくいくのかなと思っていた節があったので、高山より人口規模の小さな村で女性がゲストハウスを成功させているのが格好よかったですね。

そこは農業体験とか田舎体験とかをテーマにスタートしたゲストハウスだったので、宿や人にそれぞれ個性があってかっこいいな、自分もそういう箱を持ちたいなって思うようになりました。




ー では将来は高山でゲストハウスを?

それは正直今は未定です。

というのも、私はどちらかというと地域の中の人と外の人が繋がって、ハードル低くコミュニケーションが取れる環境に惹かれていて、それがたまたまゲストハウスだったっていうだけだと思うんです。だからゲストハウスは私の理想とする環境を実現するための手段の一つでしかないというか、必ずしもそれにこだわってはいないですね。

やっぱり、どこで何をやるかを一番イメージしやすいのは、地元の高山でゲストハウスをやることではあるんですけど、今はどちらかというと地域の中と外との繋がりみたいな、見えない概念的なものに惹かれているので、それが何なのかを見つける社会人生活なのかなと思っています。





地域にとってのハッピーシナリオとは?「地方創生」という言葉に対する想い


ー NEWLOCALへの入社を希望した理由はなんですか?

遼さんのnoteであった言葉で「人口減少の裏側で、そこに住む人のハッピーシナリオは生まれるのか、その地域の人がどのような未来を描くのかまでみんな見てますか」みたいな文脈の文言があったんですよ。

これを読んだ時に、NEWLOCALは移住者を増やそうとして不動産開発に取り組んでいるというよりかは、この場所にあるこの物件をこういうふうに変えることで、地域にこんな良い循環が生まれるよ、という視点で物件を用いたまちづくりをしてる会社なんだ、それって私のやりたいことに近いなと思ったんです。

もしかしたらNEWLOCALならゲストハウスという形以外でも、飲食×〇〇とかで外部の人と中の人を繋げる場を作れるかもしれない、もしくは全く違うコンセプトの建物が生まれるかもしれないって感じたんですよね。

自分の中で、ゲストハウスに代わるものを見つけるではないけど、それをテーマにしてる部分があったので、ここなら自分がどういうことをしたいのかを見つけながら仕事ができるかもと思って入社を希望しました。

高校生の時から観光まちづくりが頭にあって、旅とかも通して思うのは、「地方創生」という言葉がすごい嫌だなって感じたんですよ。

自分も田舎出身だけど、そこには面白い人たちがいて、ムーブを起こしていて、規模は小さいけどやってることはどの地域よりも面白い自信があって。だからこそ、地方を創生するって何だろう、地域活性化って何をもって言ってるんだろう、という気持ちになっていました。

なので私の興味は人口減少とか少子高齢化のような社会課題の解決というよりかは、二人以上の人が集まって何かを起こすことにあって、その中で見つけたNEWLOCALのまちづくりへの取り組みや姿勢に共感していた、というのも動機にあります。






スモールスタートの積み重ね、新卒として携わる野沢温泉


ー 実際にNEWLOCALに入社してからは、入る前とでギャップみたいなものはありましたか?

やっぱり入る前は、宿を通して人を呼び込むにはどうしたらいいか、という視点から企画や戦略を考える所で力をつけたいと思っていたんですけど、実際入った後はロッヂの清掃をどうするとか、そういう現場目線のことが多くて意外とその辺りが泥臭かったですね。

本来自分がやっていきたいことよりも、その前に整えないといけないことがやっぱり多くて、それは会社の若さもあるだろうし、自分の能力的にもまだ慣れてないところがあるので、すごい大変だなと思っていました。

野沢温泉でこれをやりたいって思っても、それをどうやるのかっていうところの力が自分はまだ弱いなと感じているので、今まで出会ってきた「これいいな、やりたいな」を形にしてきた人たちはすごかったんだなと気付かされました。

だから自分もそうなるためには何ができるかなって考えながら仕事してます。

まずは小さなことでもやってみよう、っていうマインドで、ロッヂで餃子パーティーとか焚き火イベントをやったり、それでどういう声が聞こえるのかを探ってみたりもしました。

小さなイベントかもしれないけど、自分のやっていきたい概念のところは共通しているので、こういうことでもいいのかなと、スモールスタートでやっていこうと思っています。




あと、これはいい意味でのギャップなんですけど、思っていたよりも自由にやらせてもらえることにも驚きました。

入社して一ヶ月くらいの時の会議で、野沢のお米を使ったお店についてブレスト的に話す機会があったんですけど、私が色々アイデアを出してみたところ、「いいねあいちゃん、それ企画していいよ」って言ってもらえたことから今のおむすび屋さんの企画がスタートしたんですよ。そこから社内向けに企画書やプレゼン資料を用意してってどんどん進んで。

私なんて当時はまだ入社したてだったのに、そんな仕事を任せてもらるし、自由に発想してる大人を前にすごく楽しくなって、あの時は超興奮しましたね。

よくあるおむすび屋ではなくて、野沢だからこそこれをやろうって話している、トップ3人の会話もすごく面白いなと感じていました。




自分のアイデアを形に、プロジェクトの舵を切れる人材に


ー 今後NEWLOCALでどんなふうに成長していきたいですか?

今の業務内容的には、ロッヂの管理責任者として稼働率などの数値を追いかけつつ、野沢温泉企画としてロッヂをハブにしてどうやって野沢温泉の魅力を伝えるかということをメインでやっていて、野沢温泉のお米を使ったお土産作りとおむすび屋の企画運営もしています。

そういったことを踏まえつつ、今後はロッヂのような既存の箱で何かを企画するだけでなく、0→1のハードが関わってくる部分でプロジェクトの舵きりをできる人間にこの一、二年でなりたいなと思ってます。

いつかは自分でゲストハウスをやりたい、という仮説を元に入社しているので、私はやっぱり場を通して「あったらいいな」を形にしていきたいというのが軸になってると思います。なので、何もない状態の建物をどう形にしていくのか、というフェーズのところで、こういうプロジェクトをやりましょう、と主導できるようになりたいですね。




ー NEWLOCALへのジョインを検討している人になにかメッセージはありますか?

NEWLOCALに入ったらすぐにいろんなことができます。笑

いろんな地域を見れるし、それぞれの地域で違うことやってるし。最近は食の領域でTETOTETOさんやお酒だったら各地域でプロと連携をしているし、野沢温泉ではパートナーの健児さんや良太郎さんがいるので、NEWLOCALに入ったら本当にたくさんの人と関われます。

各地域に素敵な人がいて、そういう人を巻き込みながら仕事をしていくので、それをぜひうまく活用して楽しんでいただけるといいのではないでしょうか。

普通の会社だとここまでステークホルダーと関われない気もするので、そこはやっぱり楽しいと思います、と言いたいですね。




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