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NEWLOCAL社員インタビュー Vol.1 久野遼






「地域からハッピーシナリオを共に」をミッションに掲げるNEWLOCALでは、不動産開発を中心としたまちづくりを行い、人口減少社会における持続可能な地域モデルの実現を目指しています。2022年創業と立ち上げから間もない段階で、既に長野県野沢温泉・御代田町、秋田県男鹿市の3つの地域でビジネスを創出・展開。

そんなまちづくりスタートアップのNEWLOCALにはどんな人たちが集まり、どんな想いで地域のハッピーシナリオを描いていくのでしょうか?


記念すべき一人目は2023年にジョインした久野遼さん。

野沢温泉を初めて訪れた日から怒涛の日々を送り、社員第一号として代表の石田遼さんと共に創業期を経験。

現在のNEWLOCALに欠かせないメンバーの一員である久野さんはどんな経緯を辿ってジョインし、どんな瞬間に"心を震わせた"のでしょう?


<久野遼>
1996年生まれ。
東京大学大学院を卒業後、都市計画行政コンサルタント・宮崎県日南市の建築設計事務所を経て2023年にNEWLOCALにジョイン。以来、東京と野沢温泉の二拠点生活を続ける。
最近読んだ本は「アンチ・オイディプス」。




海外に出て日本をメタ認知できるようになった


ー どんな幼少期だったんでしょう?

育ちは東京です。小学校1年生の時に親の仕事の都合でロシアに行って、その時はインターナショナルスクールに通っていました。ただでさえ英語で何言ってるのかわからないのに、カルチャーショックもあって、かなり大変でしたね。でも、意外と生きて行けるし、最初は苦労しましたが、友人関係って言語に依存しないんだなと。

そこから4年生の時に帰国したんですけど、帰ってきたら日本の学校システムが合わないなと思いました。起立・礼をしたりするヒエラルキー性の強いホームルームなどが苦手で。ロシアでは先生の周りを円で囲むようなホームルームを経験していたので、全く違いましたね。

早い段階で海外に出たことで、小学校4年生の時にはメタ認知というか、日本と他の国を相対的に見れるようになりました。

他の帰国子女もそうだと思いますが、こういう経験を早い段階でできたのは大きかったと思います。


小学校から高校まで筑波大学附属という国立学校に進学しました。大学受験の勉強は高1の時から結構やっていて、目標は後でも下げれるのでとりあえず東大を目指して後から調整すればいいかなと。そうしたら最後まで行けたという感じです。

東大は2年の途中で専門領域を選ぶんですが、帰国子女ということもあって英語とあとは数学も得意だったんです。なので当初は理学部とか工学部の計数工学とか、そういう方面を目指して勉強していました。図書館に籠って冷戦時代の数学書の翻訳とかしてましたね。

でも、そういう数学系の人たちって大学の表のコミュニティとは別に、数学のストリートカルチャーみたいなのを作るんですよ(笑)反骨精神あふれる感じで、社会に対してクリティカルで。それが少ししんどかったというか、自分はそこまで数学原理主義みたいにはなれないなと思って、もっと社会性との接点が欲しいなと。そこで建築学科だったら理系と文系どちらの要素もあっていいなと気づいたので建築を専攻することにしました。






建築に公共性を、目指すのは地域との共創


ー そういった海外での経験が、地域やまちづくりに関わりたいと思うようになった原体験になっているんですか?

いや、人生っていうのは連続関数なので、これが原体験っていうような出来事はないんですけど…(笑)一つあげるとするなら、大学の卒業制作ですかね。新潟県の上越市に雁木っていう伝統建築で造られた町家があるんですけど、そこで地域と共創しながら町屋活用の方法を提案したりしていました。もともと雪国に関する卒論を書いていたので上越市を選んだんですが、雪国って過疎先進地域なんですよね。お年寄りが雪かきできなくなって早く村を出ていってしまうとか。そういった社会的課題があるところに建築的な提案をできそうな場所で探していて、面白そうだと思ったのが上越市でした。

基本的に建築学科ってデザイナー養成的なカリキュラムになっている側面があったのですが、自分は公共性とか利他的な観点を軸に建築の提案を作りたいなって思ってたんです。

でも、卒業制作で建築を公共的なものに使える場があるという気付きがあって、こういったことを卒業後5年くらいの間で、自分の仕事として確立したいと思うようになりました。







マクロからミクロへ、自分の手でまちづくりを


ー その後新卒で入社した都市計画コンサルの会社ではどんな仕事をしていたんですか?

わかりやすく言うと、ここに道路を作りますとかそういうものをまとめた計画書を作るのが都市計画コンサルの仕事です。僕は住宅分野だったんですけど、例えば古い耐震基準の建物がこの地域には何%ぐらいあるから、最終的にはこういう計画で全部新しい耐震基準にアップデートしようといったことを、調査や集計などのエビデンスベースで提案していました。

ただ、仕事自体は面白かったんですけど、都市計画ってやっぱり手触り感がないんですよね。抽象的だしマクロだから、目に見えて空気が変わるわけではないんです。

何十人が関わってできる計画なので、個人の頑張りが可視化されにくいし、まちづくりをしている実感もあまりなかった。

行政を相手にしている仕事で年度でサイクルが区切られるので、一回年度を終えてみて、次のステップにいってもいいかなと思って宮崎の設計事務所に転職しました。



ー 新卒で入った会社を1年ちょっとで転職ってかなり早い気もしますが

石の上にも3年を最近は2年でもいいんじゃないかとか、合わないならすぐやめればという人もいますが、そういうことよりも、自分の習熟度で決めればいいと思うんです。新卒で入ると右も左もわからないから成長スピードが速いけど、その成長曲線が鈍化する瞬間がどこかであると思っています。

自分は1年である程度達成できた感じがあったので、そのタイミングで転職しました。あとは新卒1年目が転職市場に出るとどう見られるんだろうって、自分を客観視してみたかったのも理由の一つです。



ー 次の職場に宮崎を選んだのはどうしてですか?

宮崎の日南ってIT企業を誘致したりしていて、中心市街地活性化の有名事例なんですよね。前職が行政コンサルで行政側の話も聞いていたので、日南市面白そうだなと思って、現地調査も兼ねて行きました。卒業制作の時も現地調査をしに上越市に住んでいたので、そのフットワークの軽さもあって宮崎に行くことにためらいはなかったです。

設計事務所でしたけど、小さな会社だったので自分で仕事を見つけてなんでもやっていました。社内インフラを整えたり、エビデンスを出して経営企画を提案してみたり。その時の経験が今NEWLOCALでの仕事に活きているという感覚はあります。






まちづくりスタートアップへの転身、不安が刺激に変わった一か月


ー そこから今度はNEWLOCALにジョインしたわけですが、どんな出会いだったんですか?

宮崎って日向時間というのがあって、なんとなくペースがゆっくりなんですよね。働いてた会社もそんな感じで。それで、もっとスピード感が欲しいという想いがあったのと、まちの設計事務所で終わるんじゃなくて全国展開するくらいのインパクトがある仕事がしたいと思ってました。

ただ、その時は転職を決めて次の会社を探していたわけじゃなくて。なんとなくWantedlyを眺めててタイムリーに流れてきたNEWLOCALを見たら直感的にいいなって思って、とりあえず「話を聞く」ボタンを押しました。


でも実は一度選考の途中で辞退したんですよ。

遼さん(石田)と最初話した時に、今まで自分がやってきたことと結構距離があるなと思って。

それまでは建築事務所で建築系のまちづくり分野を見てきたので、NEWLOCALみたいなまちづくりスタートアップの事例をよく知らなかったり。建築とまちづくりって親和性はあって、求められる能力も本質的には近いんですけど、距離が遠いんです。

でも一ヶ月くらい宮崎でいろんな起業家の人たちと会って話を聞いていたら、やっぱり建築業界よりもスタートアップ界隈のほうがキャリア的にも面白そうだなと。それで、有名どころを調べたり、webの記事を読み漁ったりっていう勉強期間がありました。そうやって一ヶ月くらい時間を置いたおかげで、当初感じてた不安も適応可能な範囲の刺激だなって思うようになったんです。それこそ、ロシアに行った時も非言語コミュニケーションで適応できていたわけだし。

なので、むしろ一ヶ月置いて良かったんじゃないかとも思っています






駆け抜けていく創業期


ー その一ヶ月を経て最終的にはどこを魅力に感じてNEWLOCALに決めたんですか?

やっぱり、スピード感ですね。創業から一年でここまでやるのはさすがに速いなと。インターンや地域のパートナーはいつつも遼さん1人でこれだけのことができるのはすごいなと思いました。日本は歴史的に見ると行政主導でやるまちづくりが多くて、そうするとペースもゆっくりなんですよね。だから、そんな中こんな速さでまちづくりを進められるのはなかなか特殊だと思いました。



ー 入ってみて実際にどんな印象を抱きましたか?

これが創業期か、と。(笑)楽しいけど大変でした。

遼さんのやることが多すぎて仕事の説明をするのも大変だから、一緒に仕事をして自分で仕事を取りにいったりとか、遼さんがやらない仕事を全てやるっていう時期がありましたね。例えば、法人登記の書類を法務局に出したり、人事で採用面接したり、宿運営の立ち上げに参加したり、インターン生のフォローをしたりとか。必要なことを勝手にやっていた感じです。

本当に一人目だったので、こんな感じでしたけど、今から入る人はもう少し業務範囲が狭く定義されると思います。





地域の歴史のワンポイントに、スタートアップだからできる個人の力の増幅


ー NEWLOCALのValueの一つに「心を共に震わせよ」とありますが、様々な業務を経験してみて心が震えた瞬間はどんな時でしたか?

あまり僕は感情の起伏が激しいタイプじゃないので、ちょっと難しいんですけど…(笑)

でも、野沢温泉の面白さを発見して、自分がその歴史に携われていると感じた時は心が震えるような体験だったかなと思います。

以前自分を中心に運営したイベントがあって、それが終わってから野沢温泉のパートナーの河野健児さんたちと一緒にGURUGURUで飲んでいる時に野沢温泉の話をいっぱい聞かせていただいたんです。まちづくりとか村民の方の意識の話とか。そこでちょうど三豊市のまちに出資して主体的にまちづくりをする文化の話題になって。三豊市はそういったお金の流れの仕組みが後天的にインストールされた例だと僕は解釈してるんですけど、野沢温泉には先天的にそういったまちに出資をする文化が根付いてるんです。野沢温泉には「野沢組」という地縁団体があって、道路整備や除雪関係の公共事業から外湯の改修までやっているんですけど、そこに対してみんなでお金を出し合うんですよね。他にも、9月にある湯沢神社のお祭りの時なんかには、お坊さんの恰好をした村民の方が歩いて回るとみんながお金を数千円ずつカンパするんです。こういう出資をする文化がサステナブルな形で江戸から続いているっていう話を聞いて、これはすごい野沢の面白さだなと。そんな文化のある100年単位のまちの歴史の中で自分をどこかで位置付けられたり、その片鱗を感じられると、何か大きなことをしているかもしれないっていう高揚感はやっぱりありますね。

人って目の前のことにいっぱいいっぱいになりがちだと思うんですけど、ちょっと俯瞰して江戸から続く400年とかのスパンで見た時に、今年の野沢温泉スキー場オープン100周年みたいな感じで歴史のワンポイントになれるかもしれないって思うとすごく面白いです。

スタートアップというのは個人の力を増幅させる装置なので、個人のレベルでそこまで到達しうる可能性を秘めているなと思っています。




ー そんな面白さを秘めた野沢温泉で今後どんなことを成し遂げていきたいですか?

自分の大きなテーマとしては、よそ者がどこまで地域コモンズに関わるべきかというところに納得感のある答えが出せれればいいなと思っています。地域コモンズというのは、野沢温泉でいう外湯みたいな、ざっくり言うとアクセスできる人が限定されている地域の共有財産みたいなものです。野沢温泉だと本来は湯仲間に入っていないと外湯は使えないはずなのですが、実際は観光客に対しても開かれています。

そういう、よそ者が入ってきたときに、湯仲間に入るべきなのか、掃除をちょっとだけ手伝うのか、という、誰がどこまで関わるべきか論に答えを出したいです。

地域コモンズは文化的に守っていったほうがいいので。




久野さん視点からのNEWLOCAL


ー 久野さんから見ての遼さんとチームとしてのNEWLOCALはどんな印象ですか?

遼さんはやっぱりスピード感があるなと思います。入社前も今も変わらずその印象です。僕も仕事が速い人と一緒に働きたかったので、経営者としてやっぱり大切な要素だと思います。

ずっと遼さんと二人だったのですが、最近メンバーが増えてようやくチーム感が出てきました。急スピードで変化する事業環境に新しいメンバーが増えていく中でダイナミックに対応しているようなイメージです。ここからメンバーが増えることでNEWLOCALのチームの雰囲気もどんどん変わっていくと思います。



ー どんな人にNEWLOCALに来てもらいたいですか?

NEWLOCALのミッションやバリューに共感できて、地域の魅力を楽しみ・リスペクトできるのはある程度前提として、まずは野沢温泉に来れるくらいにはフットワークが軽い人ですね(笑)。 アクションまでの敷居が低くて、まずは間違ってもいいから行動に移せる、ちょっと後で振り返って修正するくらいのサイクルの人が向いてると思います。性格とかは、僕は結構どんな人でも面白いなって思うので、オープンマインドでも籠るタイプでもいいんですけど、すぐに考え始められる人の方が仕事が早くていいですね。



ー NEWLOCALへのジョインを検討している人へのメッセージがあればお願いします

NEWLOCALはまちづくり分野では珍しくスタートアップでグローバル展開も見据えていることがユニークネスだと思うので、そこに魅力を感じる方はぜひお話ししましょう!余談ですが面接の時には癖を出したほうが良いと思います(笑)。ストレートに自分の個性を表現してください!



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